(4)集会祈願

(4)集会祈願

 今回は「集会祈願」について学びます。

開祭の部を締めくくると同時に、ミサ祭儀全体への導入の機能を果たすのはこの「集会祈願」です。ミサ式次第の中の三つの「公式祈願」のうちの最初のもので、開祭の最も重要な部分です。ほかの二つの公式祈願は「奉納祈願」と「拝領祈願」です。

 これらが「公式祈願」と呼ばれる理由を「典礼総則」はこう述べています。「キリストの代理者として集会をつかさどる司祭が聖なる民全体と会衆一同の名によって神にささげる」祈りであると述べています。

 集会祈願の構成は次のようになっています。

  1. 司祭の祈りへの招き-祈りましょう

  2. ひと時の沈黙

  3. 司祭が会衆を代表して唱える祈願の本文

  a)父なる神への呼びかけ

  b)神による救いの業の想起

c)救いの業によってなされる現在と将来の祈願

d)結び-聖霊の交わりの中で、キリストを通して、神へ向かう

4.会衆の同意-アーメン

 祈願は非常に簡潔な文章です。その祈りの中に神と人間との出会い、神の人間への愛、人間の心からの願いが込められたものとなっています。

司祭は伝統的に祈りの姿勢として手を広げて祈るのが基本姿勢です。すべての被造物の父なる神へ全幅の信頼を置いて「祈る教会」の姿をそこに見ることが重要です。

この祈りは、ミサに集められ集まった会衆一人一人を代表して司式司祭が捧げる祈りであると同時に、その日捧げられるミサの内容が明らかにされる祈りです。

 ですから司式司祭が捧げるその日の集会祈願に注意深く耳を傾けるのなら、その日どのような福音の神秘が祝われようとしているのか、教会は共にささげる信徒と共にそのミサの中で何を祝おうとしているのかが分かるように出来ています。

 つまり司式司祭は会衆一人一人の祈りを「集め」代表して捧げ、この祈りによってこの日の典礼の意義性格が表現され、会衆はそれに心を合わせ「アーメン」と同意する時、この「祈願」は会衆一人一人のものとなるのです。

典礼を豊かに 司祭の説話 目次へ

Comments are closed.