(2)入祭の歌と行列
(2)入祭の歌と行列
今回は「入祭の歌と行列」について学びます。
わたしたちが参加する一般的な式典を思い起こしてみると、普通はいきなり具体的な内容に入るのではなく、参加者の心を式典に向かわせるよう準備する開会の部分が最初に置かれています。教会の典礼にもこのような開会に当たる部分があり、ミサではこれを「開祭」と呼んでいます。
「ローマ・ミサ典礼書の総則」24によりますと、開祭には開始、導入、準備の性格があります。そしてその目的は、「一つに集まった信者が一致するためであり、また神のことばを正しく聞き、「感謝の祭儀」をふさわしく行うよう自らを整えるためである」と述べられています。開祭は、人々の日常生活の場から神に対する礼拝へと導き、その心を一つにする役割を果たしています。
ミサで記念されるキリストの救いの出来事を深く味わい、自らの信仰を宣言し、キリストの一つの体を分かち合うための導入と準備として、欠かすことのできない要素なのです。
聖堂内の静寂は今述べられた意向があるからです。
「会衆が集まってから、司祭が奉仕者とともに入堂する時、入祭の歌が始められる」
このことから、ミサが行われるためには、ミサに参加する人々が集まっていることが大切であるということがわかります。
先週の日曜日皆さんにお尋ねしましたミサの何分前ぐらいに聖堂内に入っていますか?
ミサは、神の呼びかけに応えて一つに集まる神の民が全員で捧げる共同の祭儀です。ミサは通常、入堂の行列に合わせて一同が歌う入祭の歌によってはじまります。
入祭の歌の目的として、祭儀を始めること、会衆の一致を促すこと、会衆の思いを典礼と祝祭の神秘に導くこと、司祭と奉仕者の行列を飾ること、を挙げています。
このように、入祭の歌はミサに集まった人々を一つにし、相応しい雰囲気を作り、会衆の心をこれから行われるミサに向かわせる役割があるのです。
行列に加わらない会衆も、入祭の歌を通して祭壇に向かう行列に心を合わせます。こうして一人ひとりがミサに積極的に参加することが出来るようになります。
入祭の歌と行列は、キリストの名のもとに集まった人々の一致、神に賛美と感謝をささげる喜び、そしてキリストの代理者である司式者を歓迎する心を表すしるしとなっているのです。
誰かが歌えば良いという様な傍観者であってはいけないのです。