(10)福音朗読

(10)福音朗読

先週の典礼の学びは、「アレルヤ」についてでした。

今回は「福音朗読」について学びたいと思います。

アレルヤ唱(または詠唱)が会衆一同によって力強く歌われた後、「ことばの典礼の頂点」である福音朗読が始まります。

福音朗読では、会衆は復活して共にいてくださるキリスト自身の言葉に耳を傾けます。福音朗読者は通常は助祭が努めます。助祭がいない場合は他の司祭が、他の司祭がいない場合は司式者が朗読します。福音朗読は通常助祭が努めるのは、助祭には叙階式の時に福音書が授与され、人々に福音を告げ知らせる大切な務めが委ねられているからです。

助祭が朗読する場合、助祭は司式者に祝福を願います。司式者は「主の福音を相応しく告げるため、身も心も清めてくださいますように」と述べて助祭を祝福します。

次に福音に対する尊敬を表すために福音朗読の時に加えられる特別な動作や言葉などについて考えてみます。

まず姿勢ですが、アレルヤ唱の時から全員が起立して、そのまま福音に耳を傾けます。その姿勢は福音への畏敬や喜びを表す姿勢であり、いわば言葉によらない信仰告白とでも言えます。

朗読の前後には朗読者の言葉に応える会衆の応召があります。まず朗読の前の挨拶でキリストの現存を確認した後、会衆は福音の表題を告げる言葉に「主に栄光」と答えます。そして、朗読の結びで朗読者は「キリストに賛美」と告げ、会衆も同じ言葉で答えます。

朗読者の動作としては、福音の表題を告げる時に額と口と胸と福音書に十字のしるしをする習慣があります。日本の教会では福音書だけに十字架のしるしをすることに変更しました。これに合わせて、会衆も十字架のしるしをせず「主に栄光」と答えます。

荘厳ミサの場合、福音書が朗読台に運ばれるとき、ろうそくと香を携えた奉仕者が先導し、朗読者が福音書に献香することもできます。

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