2021年3月7日(B年)四旬節第3主日 典礼について
第一朗読 出エジプト20・1-17
律法はモーセを通して与えられた。
答唱詩編 詩編19・8、9、10
主よ、あなたは永遠のいのちのことば。
第二朗読 ①コリント1・22-25
わたしたちは、十字架につけられたキリストを宣べ伝えている。キリストは、ある人々にはつまずかせるものだが、召された者には神の知恵である。
福音朗読 ヨハネ2・13-25
13ユダヤ人の過越祭が近づいたので、イエスはエルサレムヘ上って行かれた。14そして、神殿の境内で牛や羊や鳩を売っている者たちと、座って両替をしている者たちを御覧になった。15イエスは縄で鞭を作り、羊や牛をすべて境内から追い出し、両替人の金をまき散らし、その台を倒し、16鳩を売る者たちに言われた。「このような物はここから運び出せ。わたしの父の家を商売の家としてはならない。」17弟子たちは、「あなたの家を思う熱意がわたしを食い尽くす」と書いてあるのを思い出した。18ユダヤ人たちはイエスに、「あなたは、こんなことをするからには、どんなしるしをわたしたちに見せるつもりか」と言った。19イエスは答えて言われた。「この神殿を壊してみよ。三日で建て直してみせる。」20それでユダヤ人たちは、「この神殿は建てるのに四十六年もかかったのに、あなたは三日で建て直すのか」と言った。21イエスの言われる神殿とは、御自分の体のことだったのである。22イエスが死者の中から復活されたとき、弟子たちは、イエスがこう言われたのを思い出し、聖書とイエスの語られた言葉とを信じた。
23イエスは過越祭の間エルサレムにおられたが、そのなさったしるしを見て、多くの人がイエスの名を信じた。24しかし、イエス御自身は彼らを信用されなかった。それは、すべての人のことを知っておられ、25人間についてだれからも証ししてもらう必要がなかったからである。イエスは、何が人間の心の中にあるかをよく知っておられたのである。
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神との取り引き
この日の福音で、福音記者ヨハネは、本来、神殿が神に出会い、祈るための場であるはずのものが、いつの間にか宗教的な商売の場となり、神への祈りと神との関係が、奉納物の価値によって決まるかのようになっていたことを見て、イエスが「商売をするな」と叱責されたことを記しています。現代的に言いかえれば、これは「取り引き」と言えます。わたしたちも、無意識のうちに「これだけ祈っているのですから、~をお願いします」と、神との取り引きを期待しているかもしれません。自分自身の信仰や神との関係を、いま一度心に留め、問い直してみたいものです。
そして、イエスの行動に対してユダヤ人たちは、イエスが神からのもので、神の権限を持っていることを証明する「しるし」を見せるよう要求し、イエスは、「神殿を三日で建て直す」と言われ、この後、十字架につけられ、三日目に復活される「覚悟」を示されました。
キリストのからだとして一つに集められたわたしたちも、神の愛の目に見える「しるし」となることが出来るよう、聖霊のはたらきを願いましょう。