2023年8月27日 A年 年間第21主日 典礼について
第一朗読 イザヤ22・19-23
わたしは彼の肩に、ダビデの家の鍵を置く。
答唱詩編 詩編138・1+2ab、4+5+7d、8
主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。
第二朗読 ローマ11・33-36
すべてのものは、神から出て、神によって保たれ、神に向かっている。
福音朗読 マタイ16・13-20
13イエスは、フィリポ・カイサリア地方に行ったとき、弟子たちに、「人々は、人の子のことを何者だと言っているか」とお尋ねになった。14弟子たちは言った。「『洗礼者ヨハネだ』と言う人も、『エリヤだ』と言う人もいます。ほかに、『エレミヤだ』とか、『預言者の一人だ』と言う人もいます。」15イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」16シモン・ペトロが、「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた。17すると、イエスはお答えになった。「シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。あなたにこのことを現したのは、人間ではなく、わたしの天の父なのだ。18わたしも言っておく。あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。陰府の力もこれに対抗できない。19わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。」20それから、イエスは、御自分がメシアであることをだれにも話さないように、と弟子たちに命じられた。
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天の国の鍵
福音の朗読箇所は、先週の「カナンの女」の話(15章21-28節)から少し飛んで、いわゆる「ペトロの信仰告白」の場面になります。ペトロの「あなたはメシア、生ける神の子です」との言葉に対してイエスは、御父が彼にこの秘密を現したのだと告げて、ペトロをほめます。それからイエスは、ペトロが新しい教会の礎になるであろうと宣言し、「天の国の鍵」を授けるとおっしゃいました。
カトリック教会はこの記述をもとに、ペトロがイエスから授けられた権限は、その後継者であるローマ教皇が引き継ぐと考えます。一方そうした議論とは別に、毎日曜日のミサの中、聖体拝領の前に「ペトロの信仰告白」を唱えるわたしたちにも、天の国の鍵が預けられ、その門の開閉を任されていると考えることもできます。イエスは、律法学者やファリサイ派の人たちを「あなたがたは天の国を人々の面前で閉ざす。自分が入らないばかりか、入ろうとする人も入らせない」と厳しく批判しました(23章13節)。
わたしたちが預かった鍵を使って、本当に天の国の門を開き、一人でも多くの人を招くことができるよう、至聖なるマリアがわたしたちを導いてくださいますように。