田園1月号 巻頭言

信仰年を終え そしてこれから 主任司祭 ドミニコ竹内正美神父

明けましておめでとうございます。

新しい年が皆様方にとって恵み豊かな年となるようお祈りいたします。

 

前教皇ベネディクト十六世が定められた「信仰年」は昨年の「王であるキリストの祭日」十一月二十四日に幕を閉じました。

五十一年前の第二バチカン公会議によって刷新され、現代に適応してきたはずの教会は、今また、五十一年前のように力を失いつつあるように思います。もしそうであるなら、私たちはもう一度信仰という土台を建て直さなければなりません。その意味で、今年こそ「信仰年」の意義を実生活の中で実践してゆく年にしたいと思います。

 

「信仰年」の趣旨は、信仰について深く考察することです。「信仰年」は「わたしは誰を信じ、何を信じているのか?」「信仰を神の恵みとして受け止め、その喜びを感じているのか?」「信仰はわたしの人生にとってどんな関係があるのか?」などと自問し、確認し、体験する年にしたいと思います。

生き生きとした信仰を養い育むために大切にしていかなければないのは典礼です。

洗礼の恵みを頂いたキリスト者の典礼の中で、その中心となるものが感謝の祭儀(ミサ)です。この一年間を通して、典礼の頂点である聖体祭儀を充実したものにしてゆきたいと思います。

 

カトリック田園調布教会共同体のお一人お一人にお願い致します。
ミサをより豊かにお捧げするために取り組みたい幾つかの事柄に協力して頂きたいと思います。
最初は聖堂内の祈りの雰囲気作りです。沈黙のうちに祈りたい人たちがいることに配慮してほしいということです。私語は聖堂内では慎むべきです。ミサを共に捧げる前の大切な聖なる時間帯でなければならないのです。
二つ目は、ミサを捧げる意識と態度に心がけて欲しいということです。第二バチカン公会議を境に、その前は「ミサに与かる」という表現でした。ラテン語のミサで何もわからず、まさにミサに与かっている姿勢でした。信者の皆さんは消極的で傍観者的な感じになっていたのではないでしょうか。

 

第二バチカン公会議後は典礼憲章で次のように述べられています。「母なる教会は、すべての信者が、典礼の執行への、充実した、意識的な、行動的な参加へ導かれるようせつに希望している」また「全信徒による充実した、行動的参加は、聖なる典礼を刷新し、促進するにあたって、最も留意すべきことである」と(典礼憲章14)。

 

信仰を個人として生き抜き、また福音宣教することは困難です。そのため、キリストは教会共同体を誕生させ、御父のもとから全世界へと派遣されました。

教会共同体がより生き生きと自分たちの信仰を、典礼の中で特に感謝の祭儀の中で深く記念しながら、社会における福音宣教に励むために初代教会の信者たちに学ばねばなりません。

「ミサを司祭と共に捧げる」姿の中に「個」の姿は見うけられません。「共に」共同体が一つになってミサを執り行うことが最優先されることです。

 

この一年間をとおして典礼に積極的に取り組んでいきたいと思います。

皆様のご協力をお願いして、信仰の充実に力を注ぎたいと思います。宜しくお願い致します。

 

Tu,SiGNORE,

SEi LUCE

ALLA MiA

LAMPADA

SAL 18,29

 

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