2021年10月31日 (B年) 年間第31主日 典礼について
第一朗読 申命記6・2-6
聞け、イスラエルよ。我らの神、主は唯一の主である。
答唱詩編 18・3、23+25、47+50
神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。
第二朗読 ヘブライ7・23-28
このいけにえはただ一度、御自身を献げることによって、成し遂げられたからです。
福音朗読 マルコ12・28b-34
そのとき、28b一人の律法学者が進み出て、イエスに尋ねた。「あらゆる掟のうちで、どれが第一でしょうか。」29イエスはお答えになった。「第一の掟は、これである。『イスラエルよ、聞け、わたしたちの神である主は、唯一の主である。30心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』31第二の掟は、これである。『隣人を自分のように愛しなさい。』この二つにまさる掟はほかにない。」32律法学者はイエスに言った。「先生、おっしゃるとおりです。『神は唯一である。ほかに神はない』とおっしゃったのは、本当です。33そして、『心を尽くし、知恵を尽くし、力を尽くして神を愛し、また隣人を自分のように愛する』ということは、どんな焼き尽くす献げ物やいけにえよりも優れています。」34イエスは律法学者が適切な答えをしたのを見て、「あなたは、神の国から遠くない」と言われた。もはや、あえて質問する者はなかった。
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第一の掟
律法学者が、最も大事な一つの掟は何かと問うたのに対して、イエスは二つの掟を答えました。すなわち、掟の中心は愛であり、最初に神への愛、次に隣人への愛であるということです。イエスは、この二つの掟が表裏一体であると示唆しているのです。ここで言う「愛」とは何でしょうか。キリシタン時代の人は「神の愛」を意味するラテン語のcaritas(カリタス)という言葉を「御大切(ごたいせつ)」と訳したそうです。「愛」を「大切にすること」と言い換えれば、日本語としてしっくりくるかもしれません。
神を愛することは、ある意味大変難しいことです。神は、目で見たり手で触れたりすることができないからです。一方で、目の前にいる隣人を大切にすることは、具体的なイメージが湧きやすいと言えます。隣人のために全力で奉仕し、限りなく赦そうと努め、結びつきを育もうと努力するとき、わたしたちは神を愛し、神の愛に生きることができるのです。
わたしたちがこの素晴らしい教えを日常生活の中に受けとめ、あかしできるよう、おとめマリアが助けてくださいますように。