田園2025年7月号 巻頭言
田園2025年7月号 巻頭言
二人の教皇様
ドミニコ竹内正美神父
第266代教皇フランシスコが4月21日にバチカン市国で亡くなられました。
ご復活祭の翌日、日本でもトップ・ニュースとして伝えられました。教皇フランシスコについて、このように述べています。「フランシスコ教皇の全生涯は、主と、その教会への奉仕にささげられたものでした。教皇は私達に福音の価値を、忠実と、勇気、普遍の愛をもって、特に最も貧しい人々や疎外された人々への配慮のもとに、生きることを教えられました」(バチカンニュース)。
確かに、「貧しい人のための教会を望んだ」教皇フラシスコは12年間に及ぶ在位中、47回の海外訪問を行い、66カ国に赴きました。2019年11月には日本を訪れています。人々と交わり、対話し、教会の姿勢をはっきりと示し導いてくださった教皇フランシスコに、感謝し、永遠の安息を祈りましょう。
教皇選挙「コンクラーベ」の前にいろいろの噂が流れました。前教皇フランシスコの遺志を継ぐ方が選ばれるのだろうか?どうなるのだろうか?当時「教皇選挙」の映画が上映されていた時だったので、一般の人々も興味を持ってその成り行きを見守っていた感じがしました。
教皇選挙「コンクラーベ」二日目の5月8日、システィーナ礼拝堂の煙突から白い煙が上がり、サン・ピエトロ大聖堂の鐘がならされました。第267代教皇に選出されたのは、
ロバート・フランシス・プレヴォスト枢機卿、教皇名はレオ14世となりました。
新教皇レオ14世は「橋を架けましょう」と群衆に訴えました。前教皇が目指した「開かれた教会」路線を継承していくのではないでしょうか?
教皇レオ14世の挨拶の要旨はこうでした。
「あなた方に平和があるように。復活したキリストの平和、謙遜で忍耐強く、武器のない平和だ。まだ私たちの耳にはか細くも、常に勇敢な教皇フランシスコの声が残っている。復活祭の朝、教皇フランシスコは全世界に祝福を与えた。わたしも同じ祝福を繰り返すことをお許しください。神は私達を愛される。そして悪が勝つことはない。
私達は皆、神の手の中にある。だから恐れずに、互いに手を取り合い、前へ進もう。対話と出会いを通して、互いに橋を掛けよう。皆が一つになり、平和な唯一の民となろう。
兄弟である枢機卿のみなに感謝する。私を(初代教皇)ペトロの後継者として選んでくれたのは、一致した教会として皆と共に歩み、常に平和と正義を求め、宣教者として恐れることなく福音を告げるためだ。
ローマの教会に特別な挨拶を送る。教会は橋を架け、対話をし、この広場のように常に腕を広げて全ての人に開かれていなくてはならない。私達は共に歩み、常に平和を求め、特に苦しむ人々に寄り添う教会でありたい。この新しい使命のため、全教会と世界の平和の為に祈ろう」。 私たちカトリック田園調布教会共同体もお二人の教皇様のみ旨に答えていけますように、共に力を合わせて参りましょう。
※ 「田園」2025年7月号はこちらからご覧ください。