2024年5月12日 B年 主の昇天 典礼について
第一朗読 使徒言行録1・1-11
イエスは彼らが見ているうちに天に上げられた。
答唱詩編 詩編47・2+3、6+7、8+9
主はのぼられた、喜びの叫びのうちに。
第二朗読 エフェソ4・1-13
わたしたちは、キリストの満ちあふれる豊かさになるまで成長する。
福音朗読 マルコ16・15-20
そのとき、イエスは十一人の弟子に現れて、言われた。15「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。16信じて洗礼を受ける者は救われるが、信じない者は滅びの宣告を受る。17信じる者には次のようなしるしが伴う。彼らはわたしの名によって悪霊を追い出し、新しい言葉を語る。18手で蛇をつかみ、また、毒を飲んでも決して害を受けず、病人に手を置けば治る。」
19主イエスは、弟子たちに話した後、天に上げられ、神の右の座に着かれた。20一方、弟子たちは出かけて行って、至るところで宣教した。主は彼らと共に働き、彼らの語る言葉が真実であることを、それに伴うしるしによってはっきりとお示しになった。
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全世界に行って、福音を宣べ伝えなさい
イエスは、復活されてから40日にわたって弟子たちに姿を現されましたが、それでもなお信じることができない弟子たちの前に最後に現れ、その不信仰とかたくなな心をおとがめになりました。今日の朗読は、そうしたエピソードの後に当たる箇所です。
イエスは、弟子たちをおとがめにはなったものの、その直後に「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい」という力強いメッセージを口にされます。弟子たちやわたしたちに復活を信じることの難しさを語りながら、同時に信じることへの励ましもお伝えになりたかったのかもしれません。
そしてイエスが弟子たちに与えた課題は、「全世界」の「すべて」のものに福音を宣べ伝えるという非常に困難なものでした。弟子たちの心には「できるわけがない」「そんなの無理だ」といった思いが湧き上がったことでしょう。しかしこのイエスとの対話の前後で、弟子たちは信じなかった者から、困難に立ち向かう者へと変えられていきます。これこそが、過越の神秘の完成なのです。
今日の福音を通じ、わたしたち自身が聖霊の働きを信じ、言葉や行いによって福音を告げ知らせることができるよう、一緒に祈りたいと思います。