2023年6月25日 A年 年間第12主日 典礼について
第一朗読 エレミヤ20・10-13
主は貧しい人の魂を、悪事を謀る者の手から助け出される。
答唱詩編 詩編69・14、17+18、34+35
主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。
第二朗読 ローマ5・12-15
恵みの賜物は罪とは比較にならない。
福音朗読 マタイ10・26-33
そのとき、イエスは使徒たちに言われた。26「人々を恐れてはならない。覆われているもので現されないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはないからである。27わたしが暗闇であなたがたに言うことを、明るみで言いなさい。耳打ちされたことを、屋根の上で言い広めなさい。28体は殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。むしろ、魂も体も地獄で滅ぼすことのできる方を恐れなさい。29二羽の雀が一アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、あなたがたの父のお許しがなければ、地に落ちることはない。30あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。31だから、恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。
32だから、だれでも人々の前で自分をわたしの仲間であると言い表す者は、わたしも天の父の前で、その人をわたしの仲間であると言い表す。33しかし、人々の前でわたしを知らないと言う者は、わたしも天の父の前で、その人を知らないと言う。」
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「恐れるな」
今週の福音の朗読箇所は先週の使徒の派遣に向けての説教の続きです。この教えは使徒だけではなく教会に集うわたしたちにも向けられています。
イエスは三度、「恐れるな」と言われます。一つ目は、宣べ伝えようとする福音が人々に聞いてもらえず、批判に晒されるのではないかという恐れです。二つ目の恐れは、肉体に危害が加えられるのではないかという不安です。現代の日本で生活しているわたしたちにも、無理をして病気になったり、事故に遭ったりという不安が常にあります。そして最後の恐れは、そのような状況において誰も助けてくれないのではないかという不安です。
わたしたちは、このような不安から目を逸らすために、目の前の富にしがみつき、周囲の人を敵と思ってしまいがちです。イエスの「恐れるな」という言葉は、このような不安を持たず神に信頼しなさい、と教えているのです。そうすれば富を奪い合う争いもなくなり、相互に愛し合い、キリストのように生きることができるのではないでしょうか。
神に信頼し全てを委ねた聖母マリアを模範として教会の務めを果たせるよう、聖霊の導きを祈りましょう。