2022年5月1日 C年 復活節 第3主日 典礼について

第一朗読   使徒言行録527b-3240b-41

私たちはこの事実の証人であり、聖霊もこのことを証ししておられる。

答唱詩編   詩編302b+411+1213

神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。

第二朗読   黙示録511-14

屠られた小羊は力と富を受けるにふさわしい。

福音朗読   ヨハネ211-19

1その後、イエスはティベリアス湖畔で、また弟子たちに御自身を現された。その次第はこうである。2シモン・ペトロ、ディディモと呼ばれるトマス、ガリラヤのカナ出身のナタナエル、ゼベダイの子たち、それに、ほかの二人の弟子が一緒にいた。3シモン・ペトロが、「わたしは漁に行く」と言うと、彼らは、「わたしたちも一緒に行こう」と言った。彼らは出て行って、舟に乗り込んだ。しかし、その夜は何もとれなかった。4既に夜が明けたころ、イエスが岸に立っておられた。だが、弟子たちは、それがイエスだとは分からなかった。5イエスが、「子たちよ、何か食べる物があるか」と言われると、彼らは、「ありません」と答えた。6イエスは言われた。「舟の右側に網を打ちなさい。そうすればとれるはずだ。」そこで、網を打ってみると、魚があまり多くて、もはや網を引き上げることができなかった。7イエスの愛しておられたあの弟子がペトロに、「主だ」と言った。シモン・ペトロは「主だ」と聞くと、裸同然だったので、上着をまとって湖に飛び込んだ。8ほかの弟子たちは魚のかかった網を引いて、舟で戻って来た。陸から二百ペキスばかりしか離れていなかったのである。9さて、陸に上がってみると、炭火がおこしてあった。その上に魚がのせてあり、パンもあった。10イエスが、「今とった魚を何匹か持って来なさい」と言われた。11シモン・ペトロが舟に乗り込んで網を陸に引き上げると、百五十三匹もの大きな魚でいっぱいであった。それほど多くとれたのに、網は破れていなかった。12イエスは、「さあ、来て、朝の食事をしなさい」と言われた。弟子たちはだれも、「あなたはどなたですか」と問いただそうとはしなかった。主であることを知っていたからである。13イエスは来て、パンを取って弟子たちに与えられた。魚も同じようにされた。14イエスが死者の中から復活した後、弟子たちに現れたのは、これでもう三度目である。

15食事が終わると、イエスはシモン・ペトロに、「ヨハネの子シモン、この人たち以上にわたしを愛しているか」と言われた。ペトロが、「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」と言うと、イエスは、「わたしの小羊を飼いなさい」と言われた。16二度目にイエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」ペトロが、「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」と言うと、イエスは、「わたしの羊の世話をしなさい」と言われた。17三度目にイエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」ペトロは、イエスが三度目も、「わたしを愛しているか」と言われたので、悲しくなった。そして言った。「主よ、あなたは何もかもご存じです。わたしがあなたを愛していることを、あなたはよく知っておられます。」イエスは言われた。「わたしの羊を飼いなさい。18はっきり言っておく。あなたは、若いときは、自分で帯を締めて、行きたいところへ行っていた。しかし、年をとると、両手を伸ばして、他の人に帯を締められ、行きたくないところへ連れて行かれる。」19ペトロがどのような死に方で、神の栄光を現すようになるかを示そうとして、イエスはこう言われたのである。このように話してから、ペトロに、「わたしに従いなさい」と言われた。》

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どんな時でもイエスに従う

ルカ福音書の第5章に、大量の魚が獲れたシモン・ペトロがイエスの呼びかけに応えて弟子になるという、今日の福音の最初の部分と似た話があります。どちらの話でもシモン・ペトロはイエスの言葉を信頼して網を打ち、イエスは「しるし」として大量の魚を与えます。

今日の福音では、この信頼関係を示すため、イエスがシモン・ペトロに3回、「愛しているか」と問います。このことはイエスが十字架につけられる前、ペトロがイエスを3回否定し、裏切ったことを思い出させます。そしてこの「愛しているか」の原語は、最初の2回までは「アガペー (無償の愛、つまり自分の幸せを放棄して相手の幸せを創造する愛)」でしたが、それに対するシモン・ペトロの返答の「愛」は「フィリア (同等の関係で慕いあい、共にいることを喜ぶ愛)」でした。イエスを裏切ったペトロは、アガペーの愛を生きていますとは答えられなかったのでしょう。そこで、イエスは3回目にシモン・ペトロの目線に降りて「フィリア」という言葉で愛を問います。そして、「わたしの羊を飼いなさい」「わたしに従いなさい」と言われ、シモン・ペトロを宣教活動に差し向けます。

ミサにおいて、わたしたちもご聖体という「しるし」をいただき、「行きなさい!」と派遣されます。特に復活節のミサではこのことを思い起こし、イエスの「愛しているか」という問いに、すべてをイエスにゆだねて「アガペー」と答えられるよう、聖霊の導きを祈りましょう。

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