2022年3月6日 (C年) 四旬節第1主日 典礼について
第一朗読 申命記26・4-10
選ばれた民の信仰告白
答唱詩編 詩編91・2+4ab、11+12b+10、14+15
主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。
第二朗読 ローマ10・8-13
キリストを信じる者の信仰告白
福音朗読 ルカ4・1-13
そのとき、1イエスは聖霊に満ちて、ヨルダン川からお帰りになった。そして、荒れ野の中を〝霊〟によって引き回され、2四十日間、悪魔から誘惑を受けられた。その間、何も食べず、その期間が終わると空腹を覚えられた。3そこで、悪魔はイエスに言った。「神の子なら、この石にパンになるように命じたらどうだ。」4イエスは、「『人はパンだけで生きるものではない』と書いてある」とお答えになった。5更に、悪魔はイエスを高く引き上げ、一瞬のうちに世界のすべての国々を見せた。6そして悪魔は言った。「この国々の一切の権力と繁栄とを与えよう。それはわたしに任されていて、これと思う人に与えることができるからだ。7だから、もしわたしを拝むなら、みんなあなたのものになる。」8イエスはお答えになった。
「『あなたの神である主を拝み、ただ主に仕えよ』と書いてある。」9そこで、悪魔はイエスをエルサレムに連れて行き、神殿の屋根の端に立たせて言った。「神の子なら、ここから飛び降りたらどうだ。10というのは、こう書いてあるからだ。
『神はあなたのために天使たちに命じて、あなたをしっかり守らせる。』
11また、『あなたの足が石に打ち当たることのないように、天使たちは手であなたを支える。』」
12イエスは、「『あなたの神である主を試してはならない』と言われている」とお答えになった。13悪魔はあらゆる誘惑を終えて、時が来るまでイエスを離れた。
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悪を退ける
四旬節という言葉は「40日の期間」という意味で、その由来はイエスが活動を始める前に、荒れ野で40日間の断食の日々を過ごされたという出来事にあります。そのため、毎年四旬節第1主日には、この福音の箇所が読まれます。四旬節は古代から復活祭に洗礼を受ける人の特別な準備期間でしたが、次第にすべての信者が復活祭を迎えるために回心に励む期間となりました。
イエスは悪魔からの三つの試練に対して、聖書から引用した神のことばだけで対応しました。ここからわたしたちが学ぶべきことは、悪からの誘いがあった時には、それに乗せられて交渉を始めてはならない、神のことばだけで対処する、ということです。言い換えるなら、誘いに乗るかどうかの損得勘定をしてはならない、ただ神の声を聴こうとしなさい、ということです。聖書のことばがすぐに出てこない人でも、御前で祈る人に神は応え、導いてくださいます。
洗礼式の時に受洗者は三回「悪を退けますか?」と聞かれます。そのことを思い起こし、洗礼の準備をされている方も、すでに洗礼を受けている方も、四旬節を有意義な回心の期間とできるよう、ともに祈りを捧げましょう。