カトリック田園調布教会

田園2015年5月号　巻頭言　聖母月に寄せて

協力司祭トマス・ダ・コリ　小平正寿神父

御復活の喜びのうちに聖母月を迎えました。皐月（五月）の后（きさき）を喜び祝いましょう。ひととせ迎えてゆり咲く季節です。マリア様にかぐわしい花束をささげましょう。すべての人の心に聖霊の恵みがもたらされるようにと。

それは皆が一致の重要性を理解するようになるためです。この一致はまず、教会の内部で実現されなければなりません。そのとき、教会は牧者と共にひとつの群れとなることでしょう。そして、これは全人類に対して模範となることができるのです。このようにして神の御国の完成が少しずつ実現していくことでしょう。

マリア様はいつも人々を招いています。わたしがいる聖堂にいらっしやい、と。聖堂は、すでに信仰の恵みを持っている者たちにとってもこれから信仰の恵みを頂く者にとっても出会いの場であるべきです。

マリア様にとっては、すべての聖堂か愛すべきものです。聖堂にいらっしゃるマリア様をたびたび訪問いたしましょう。「岩のような堅固な信仰をもって、生ける信仰をもって、わたしと共に祈るために、わたしの元にいらっしゃい」と招いておられます。そうすればわたしたちは真心から祈る

でしょう。なぜなら、共に唱えた祈りは、途方もなく強力で、最も確実に主の御許に届くからです。

これからマリア様の聖地に巡礼を計画している人がいれば、マリア様への贈り物を準備して行きましょう。その贈り物とは御子イエス様への愛、そしてこの世の日々の十字架を担い続ける忍耐、痛悔、そして真心による他のものであります。母なるマリア様のマントの中にそれらを置きましょう。マリア様はそれらを、御聖体の秘蹟のうちにいらっしやるいとも聖なる御子の聖心に捧げてくださるでしょう。そして、それらの捧げものは人類全体が回心し、平和が世界に訪れるようになるために聖霊の恵みが降るのを早め嘆願するために、三位一体の御許に昇っていくでしょう。

神は愛における平和と一致を望んでおられます。神は限りなく善であられ、憐れみ深い御方です。そして、この実現のために協力者を望んでおられます。「刈り入れは多いが収穫のために働く人が少ない」とおっしやっています。マリア様に取次ぎを願いましょう。聖ベルナルドは「マリアに祈りし願いはすべて我が主はかならず聞き入れたもう」と言っています。マリアヘの崇敬に熱心な国では召命が多いとも聞いています。日本の信徒発見のきっかけになったのもマリア像でした。

マリア様の汚れなき聖心と聖体の秘蹟のうちにおられるイエス様の至聖なる聖心にわたしたちの心を合わせ恩恵を願ってまいりましょう。