(1)ミサにおける沈黙について
(1)ミサにおける沈黙について
皆さんはミサの何分ぐらい前から聖堂に入って着席していますか?理想的には10分ぐらい前から聖堂に入り、ミサの準備(祈り、聖書と典礼の下読みなど)をすることが勧められます。
特段の理由なく遅刻することは勧められることではありません。ミサの準備をしている人がいるということが、ミサの前には沈黙が必要だということです。ですから、他の人の邪魔となるおしゃべりや行動は避けたいものです。どうしてもミサの前でなければならない打ち合わせなどは、他の人の邪魔とならないような配慮(聖堂の外に出るとか、小声で話すなど)をすることが必要です。
ミサが始まると、初めのほうに回心の祈りがあります。その時にも沈黙の時があります。この時には私たちの日常生活を振り返り、神に従った生き方ができていなかったかどうかを振り返ります。次に公式祈願(集会祈願、奉納祈願、拝領祈願)が唱えられますが、「祈りましょう」という呼びかけの後にも沈黙があります。この沈黙は、祈願に心を合わせるための準備の時です。
ミサも前半部分で聖書が読まれます。聖書が読まれた後、少し沈黙の時間を取るのがよいかと思います。その沈黙は、そこで読まれた聖書の箇所を自分の心の奥底に留めて置くための時です。そうすることによって朗読された聖書箇所が自分のものになります。また第一朗読、答唱詩編、第二朗読、アレルヤ唱もしくは詠唱が次々と行われるのは何か機械的な感じがします。典礼的な雰囲気づくりのためにもそれぞれの間に、少し沈黙の時を入れてみたらどうかと思います。
聖体拝領をした後、拝領の歌が歌われたりして祈る時間があまり取れないかもしれません。もし少しでも時間が取れたのであれば、私たちのところに直接来られたイエス・キリストに対しての感謝の祈りを行うと共に、教会共同体及び人類共同体との一致と交わりをしていくこと、また今日のミサで頂いた多くの神からの恵み、メッセージをミサの後この世の中に伝えていくことを決心する時間としたいものです。
そしてミサが終わった後、「さあ、ミサが終わった。帰ろう」といってすぐに席を立って帰るのではなく、少しの間祈る時間を取りたいものです。それは先ほども触れたように、ミサの中で頂いた多くの神からの恵み、メッセージを自分のものとし、この世の中にそれらを伝えていくための準備の時だからです。ミサにただ参加すればよいのではなく、ミサの最後の祝福,派遣の祝福と言われているように、この世の中に私たちは福音を宣べ伝えていかなければなりません。このことを肝に銘じながら積極的かつ行動的にミサに参与したいものです。
繰り返しになりますが、沈黙は心を静め、神との交わりをする祈りの時です。