田園2025年1月号 巻頭言

田園2025年1月号 巻頭言

聖年が始まります! 「希望の巡礼者」

   新年明けまして おめでとうございます

                   ドミニコ竹内 正美

 20241224日に、バチカンのサンピエトロ大聖堂の聖なる扉が開かれることをもって25年ごとの通常聖年が始まります。そして、202616日の「主の公現の日」に、同じバチカンのサンピエトロ大聖堂の聖なる扉が閉じられることをもって閉幕します。

 これに合わせて、すべての司教区では各司教座聖堂において、20241229日の主日に開幕ミサを行い、20251228日の主日には閉幕ミサを行うことになっています。

 今回の聖年のテーマは「希望の巡礼者」です。

「希望は私たちを欺くことがありません。私達に与えられた聖霊によって、神の愛が私たちの心に注がれているからです」(ローマ5,5

フラシスコ教皇様は述べています。「聖年は、ついえることのない希望、神への希望を際立たせる聖なる年です。この聖年が、教会と社会とに、人間同士の関わりに、国際関係に、すべての人の尊厳の促進に、被造物界の保護に、無くてはならない信頼を取り戻せるよう、私達を助けてくれますように。

 又、この通常聖年を迎えるにあたって交付された大勅書「希望は欺かない」の冒頭において、教皇様は述べておられます。

「私達はしばしば、失望した人と出会います。自分に幸福をもたらしうるものなど何にもないかのように、懐疑的に、悲観的に将来を見る人たちです。聖年が、すべての人にとって、希望を取り戻す機会となりますように」(第1項)

 大勅書には、戦争、暴力、差別、出生率の低下、拘留、死刑、病者、若者、移住者、難民、高齢者、貧しい人々や国などの問題を掲げ、それ等に希望の印を差し出すように呼びかけています。この聖年を交付する大勅書で「聖年を、神の恵みから希望を受け、神へと向かう歩みを強めていただく機会とするとともに、困難にある多くの人に希望をもたらす者となるよう招かれていること」を自覚したいと思います。

私は田園調布教会の会報「田園」七月号でコロナ禍の現状を書きました。聖年をどう過ごしたら良いのか、再度、記述します。

カトリック田園調布教会の20201月以降から2024519日までを振り返ってみたいと思います。コロナ禍にあって、私達の生活自体が大きく変わってしまったことです。人と人との関わりが希薄になり、生活自体の範囲が狭まり、親しい人との交わりも出来なくなり、孤独に耐える状態でした。

私たち高齢者の信徒にとって、ミサに出席することを遠慮するようにと勧められたのは大きな痛手でした。秘跡は信徒にとって、死活問題と言えるでしょう。カトリック田園調布教会の信徒の皆さんがコロナウイルス感染症によって、教会離れが目に見えて分かるようになったのは、感染症の初期の段階からでした。今もなお教会離れが続いています。特に青年層に至っては激しいです。

私たちは共に支え合い、励まし合い、慰め合って頂いた信仰を育ててきました。これからもこの姿勢は大切にしていかなければなりません。

この四年間の間で失ったものを取り戻すために、カトリック田園調布教会共同体が一つの心になって積極的にミサに参加し、秘跡に取り組み、病人を訪問し、教会維持費を納め、亡くなった両親、兄弟姉妹のミサ依頼をし、祈りの心をもって日々の生活に努力して参りましょう。

どうぞ、主がともにおられる限り希望があること、主こそ希望であることを、今こそ、人々に声をかけ、共に参加し、希望をもって語り合い、人々と交わりながら、人々にしっかり伝えていく聖年と致しましょう。

 

※ 「田園」2025年1月号はこちらからご覧ください。

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