田園2024年10月号 巻頭言
田園2024年10月号 巻頭言
洗礼の完成、一致のしるし
アントニオ金東炫
10月の始まりとともに、秋という季節が訪れました。イエス・キリストを信じる者にとってこの季節は、収穫の喜びと共に信仰の実りを深く味わう時でもあります。
特に今年は、宣教協力体の三教会の合同堅信式が田園調布教会で行われます。聖霊の働きによって洗礼が完成され、教会との完全な一致のしるしがあらわれるこの時に一人ひとりの信仰を新たにするために、堅信の意味を改めて確認してみたいと思います。
聖霊の働きと堅信の秘跡:私たちは洗礼のとき神の招きに応え、信仰に生きることを誓いました。しかし御言葉に従うための力、知恵、そして勇気はまだ十分ではありません。このような私たちの弱さをよく知っておられる主イエスは助け主である聖霊の派遣を約束されました。
「弁護者、すなわち、父が私の名によってお遣わしになる聖霊が、あなたがたにすべてのことを教え、私が話したことをことごとく思い起こさせてくださる。」(ヨハネ14:26)
この約束のどおり私たちは堅信の秘跡を通して聖霊とその豊かな恵みを受けます。
聖霊の働きの頂点である堅信の際、受堅者の額に聖香油が注がれ、「油注がれた者」キリスト者と呼ばれるようになり、魂に「消えない聖霊のしるし」が刻印されます。
受堅者は聖霊の満ちあふれる恵みを直接受け、イエス・キリストと完全に結ばれるようになります。また、神のご計画を実現するために必要とする聖霊のたまもの「上知、聡明、賢慮、勇気、知識、孝愛、主への畏敬」が一人ひとりに与えられます。このたまものは個人の成長のみならず、教会共同体全体の成長をも促します。
イエスの弟子たちも最初は恐れや疑念を抱いていました。しかしペンテコステの日、聖霊を受け、彼らの恐れは消え去りイエスの使徒として力強く歩み始めました。同様に、私たちも聖霊の働きによって神の愛を疑わず信じる誇り高いキリスト者となるのです。
信仰を日常に生かす:堅信はただ一度ですが、聖霊によって強められた信仰生活は愛と希望と信仰に生きる継続的プロセスです。
聖霊の働きによって神の民の成員となった一人ひとりが、互いに支え合い共に福音を証しする歩みを今一度確かなものとしていきましょう。
聖霊が私たちの信仰の火を燃え上がらせてくださいますように。
※ 「田園」2024年10月号はこちらからご覧ください。