田園2019年1月号 巻頭言
田園2019年1月号 巻頭言
あけましておめでとうございます
主任司祭 ドミニコ竹内正美神父
輝かしい新年を迎え、皆さま方の上に神様の愛が豊かに注がれますよう、お祈りいたします。
慌ただしい年の瀬、大晦日が終わり、新しい年を迎えました。とても清々しい気持ちです。考えてみますと、大晦日もお正月も私たちが普段過ごしてきた日々と何ら変わらない一日なのです。大晦日もお正月もたった一日の違いでもって、こんなに気持ちが変わるとは不思議です。
しかし、一週間もすれば普段の生活に戻り、そこで鈍感に過ごしていく自分がもっと不思議に思います。
「一年の計は元且にあり」と意気込んでみたところで、せいぜい三日坊生で終わってしまうのがおちです。それが何よりの証拠かもしれません。皆さん、今年こそ頑張りましょう。
さて、新しい歩みを始めるにあたって皆様に次の言葉を心に留めて頂きたいと思います。「兄弟達よ、主なる神に今から仕え始めよう、私たちはこれまでほとんど進歩してこなかったのだから・・・」。
これはアシジの聖フランシスコの言葉です。しかも彼の生涯が終わるうとしていた時に、兄弟たちに呼びかけた言葉です。果たして聖フランシスコはこの言葉通り何もしなかったのでしょうか。決してそうではありません。
聖フランシスコほど当時の教会と社会の改革と刷新に大きな影響を与えた人はいません。彼の生き方と、その精神は今もなお現代社会に影響を与え、生き続けています。「主なる神に今から仕え始めよう」− 聖フランシスコの言葉を今年の私たちの教会のモットーにし、一人一人が自分のこととして自覚し、秘跡への積極的参加、教会活動、地区集会への参加、生涯養成として聖書の勉強、要理の勉強、「典礼奉仕への招き」の勉強に参加し、生活を通しての福音宣教に取り組んでいってもらいたいものです。
「私たちはこれまでほとんど進歩してこなかったのだから」は、言葉通りとなるなら、おかしなものになってしまいます。決して今まで何もせずに来たわけではありません。聖フランシスコの神への熱意がそう言わせたのだと思います。
「共に喜びを特って生きるため」に、私たちはこれで十分、これでだけで良しとする生き方に満足してはいけないと思
います。
「兄弟途上、主なる神に今から仕え始めよう」。