田園2017年6月号 巻頭言

田園2017年6月号 巻頭言

教会の暦
助任司祭アントニオ金東鉉(キムドンヒョン)神父

私たちは典礼暦(教会暦)に従い、3月の灰の水曜目からのイエスの公生活、受難、死、そしてキリスト教信仰の核心である主の復活を記念してきました。

そして死からの勝利であるイエスのパス力(Pascha)という神秘的出来事が齎したキリスト教信仰と教会の誕生を喜び祝い、再び年間の時期を迎えました。
キリスト教の信仰生活の基本と言えば、典礼暦(教会暦)に基づく生活といえます。
故に今回は、これから再び始まる年間の時期(年間の後期)について少し語りたいと思います。
年間(tempus per annum)とは、キリストの神秘の或る特質を備えた諸節(持降節、降誕節、四旬節、復活節)を除いた週間のことで、イエス・キリストの神秘全体を記念する時期となります。
この年間の時期は、「主の洗礼」を祝ってから始まり、灰の水曜日前の火曜日までの年間の前期と聖霊降臨次の月曜目から待降節第一主日の前晩の祈りまでの年間の後期の二つに分かれ、1年の周期の中で34週間となります。

私たちはこの年間の間、主の復活を持続的に祝いながら、主の復活という出来事を私たちの地上の生涯に適用します。

生の洗礼の後から始まる年間の前期ではキリストの洗礼と説教の始まり、そして地上での現存が強調され、聖霊降臨後からの年間の後期では、キリストの公的役務が強調されます。

この二つの年間の典礼では、人類救済の多様な諸瞬間を個々に祝う諸節と露って、聖人、信心の祝祭日以外には特定の典礼を挙行せず一つ一つの主日が展開されていきます。
そしてこの年間時期は二つのテーマという
特微があります。主日と教会というテーマです。
イエスの復活際が最高の祭日であるように、毎週の主日は毎週祝う小さい復活祭となるのです。私たちは生の復活という大きな喜びを、毎週挙行される主日の典礼を通して記念し、栄光のうちに再び来られるイエスの再臨を待ち望みます。
それで主日とは、未完成の祝日でありながら、神と人間の一致のうちに味わう天上の幸いを前もって味わう地上での表徴となるのです。
そして、年間の時期は聖霊降臨とともに人間の歴史の中でたてられた教会の神秘について悟らせてくれます。典礼暦の最後の一週間の典礼は終末とイエス・キリストの普遍的王権について語ります。これはキリスト者の目的地である天上へ向かう旅、すなわち旅する教会を記念することを示しているのです。
このように年間の後期の典礼は、私たちが典礼生活を通して得ている様々な霊的実りについて黙想するように促しているのです。
私たちが信仰生活を通して得ている豊かな実りを深く味わうためには、典礼歴の始まりである待降節からの歩みを振り返りながら、これから展開される典礼が伝える神のわざについて素直に耳を傾けようとする心構えが必要ではないかと思われます。

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