田園2015年8月号 巻頭言

田園2015年8月号 巻頭言 初聖体の喜びを共に

純心聖母会シスター    アグネス 坂本久美子

 

今年もキリストの聖体の祭日に、十二名の子供たちが初聖体のお恵みをいただくことができました。ご両親・ご家族の皆様と、竹内主任神父様をはじめ田園調布教会の神父様方・修道者・信徒の皆様、お世話下さいました役員の方々に心よりお慶び申し上げます。

今年初めて、初聖体クラスの勉強会を担当させていただきました。7回という限られた時間でしたか、イエス様が初聖体を受ける子供たち一人ひとりのことをどれほど人切に思って命を捧げてくださったのかを、子供たちにしっかりと伝えたいという思いで取り組んで参りました。

毎回の勉強会は驚きと感動の連続でした。

 

ある時、創世記の天地創造と人間の創造の話をしました。神様はご自分に似せて創造されるほど私たち人類を愛して下さいましたが、アダムとイブが神様を裏切ったために「原罪」を負わなければならなくなり、私たちは神様の赦しなしに生きていくことができなくなりました。

しかし、人間の中でも唯一聖母マリアだけは神様の特別の恵みをいただいて、お母様の胎内に宿られた瞬間から全ての罪を免れた「無原罪」であられたということを話しました。子供たちは大きな二つの目を見開いて、真剣に聞いていました。

その一週間後、「ご聖体とは何か」というテーマで勉強会を始めました。

ご聖体とは、イエス様が私たち皆のことを心から愛してくださり、「全ての人」を罪から救うために命を捧げてくださった愛のしるしであること、そして、ミサにおいて私たちは、ご聖体を通してイエス様の死と復活を記念していることを説明しました。

「イエス様はどんな人でも、宗教や国や文化や言葉が違う人でも、『みんな』を救うために十字架で命を捧げて下さいました。 その愛のしるしがご聖体です」と話した瞬間、一人の子が手を挙げてこう言いました。

「シスター、一人だけその中に入らなくていい人がいます。無原罪のマリア様です。」一週間前の無原罪の聖母の話しと、今日のご聖体のイエス様の救いの話がちゃんと繋がっていることに大きな衝撃と感動を覚えました。

その子が言おうとしたのは「無原罪の聖母マリア」についての教義的な難しいことでは決してなかったでしよう。しかし、私は子どもの純粋な心と、父なる神様・イエス様・マリア様への聖なる憧れを見る思いがして、自分に課せられた責任の大きさをあらためて実感しました。

純粋な心をもつ多感な時期に、自分が信じているカトリックの信仰をしっかりと学び、ミサを通してご聖体を頂き、神様に手を合わせて真っ直ぐな心で祈る子供たちは、これからの長い信仰生活の中で必ず神様に出会い、人に優しく、喜びの時も苦しい時もご聖体となられたイエス様の愛に守らわて幸せに生きていけると確信しています。

私たち大人はこの子供たちの信仰を見守り、育てる義務があると思います。これからも、子供たちが神様の子供として神様のより近くで生活できますよう支えて下さいますように。

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