田園2025年4月号 巻頭言
田園2025年4月号 巻頭言
アレルヤ
主イエス・キリストは復活されました!
アントニオ金東炫神父
主のご復活、おめでとうございます!
今年も私たちは主イエスの復活祭を迎えました。この日、私たちは死に打ち勝ったイエス・キリストの勝利を祝い、イエスの過越の神秘にあずかる恵みによって、新たな希望と喜びに満たされます。
しかし、私たちが生きる今の世界は不安定な状況が続き、戦争や紛争、社会の分断、経済的不安、環境問題、そして個々人の心の痛み──さまざまな困難が、私たちの前に立ちはだかっています。このような世界において、イエスの過越がもたらす意味を、改めて味わいたいと思います。
イエスの過越は、「光」「一致」「希望」という救いの道を私たちに示しています。イエスは十字架上で苦しみ、死に打ち勝ち、復活されました。この勝利は、単なる出来事ではなく、私たちの生き方そのものに深く関わるものです。
現代社会には、闇に包まれたような状況が多く存在しています。しかし、イエスの復活は、どのような闇の中にも必ず光が差し込むことを示しています。たとえ希望を見失いそうになっても、復活されたイエスの光は私たちを照らし、再び歩み出す力を与えてくださいます。
また、イエスの過越は、分裂から一致へと導く力を持っています。現代社会では、価値観や意見の違いから対立や争いが度々起こります。しかし、イエスはすべての人を三位の交わりへと招き、私たちが「一つ」になるよう導いてくださいます。
さらに、イエスの過越は、絶望の中にある人々に希望をもたらします。イエスが死に打ち勝ったように、私たちも人生の苦しみや困難の中で希望を失うことなく、前に進む勇気をいただきます。どんなに困難な状況にあっても、神は私たちを決して見捨てず、常に共にいてくださるのです。
イエスの復活の恵みのうちに教会共同体においても私たち一人ひとりにおいても、互いの違いを認め合い、共に歩む心を持ち続けましょう。そして、その光を家庭や職場、地域社会へと広げ、希望と平和の道を共に歩んでまいりましょう。
すべての人がイエス・キリストの勝利にあずかり、復活された主の光を受けて新たな歩みを始めることができますように。
※ 「田園」2025年4月号はこちらからご覧ください。