田園2024年7月号 巻頭言
田園2024年7月号 巻頭言
東京教区における今後の感染症対策に関して
ドミニコ 竹内正美
世界規模の新型コロナウイルス感染症の大流行に伴い、東京教区でも、2020年1月以降、公開ミサの中止を含む、様々な感染症対策を教区の皆様にお願いして参りました。
この間、東京教区の教会を起源としたクラスターの発生は一件も報告されておりません。皆様のご協力に心から感謝申し上げます、と菊池大司教様は述べています。
さて、2023年5月8日に国による新型コロナウイルス感染症の位置づけが2類相当から5類に変更され、「政府として一律に日常における基本的感染対策を求めることはない」とされてから一年が経過しました。
その間、東京教区内の教会においても、深刻な感染症の発生は見られなかったことから、5月19日の聖霊降臨の主日をもって、教区から小教区にお願いしていた感染症対策への指針をすべて廃止し、2020年1月以前の教会活動と同じ状態に戻すことといたします。
今後は各小教区内でよく話し合った上、それぞれの共同体で必要とされる感染症対策に務めてください。その際、マスク着用の有無など、意見の違いによって共同体の分裂や排除が起こることのないよう、小さな声に耳を傾けることを大切にしていただければと思います。
以上が、教区事務所から届いた、菊池大司教様のメッセージです。
カトリック田園調布教会の2020年1月以降から2024年5月19日までを振り返ってみたいと思います。コロナ禍にあって、私たちの生活自体が大きく変わってしまったことです。人と人との関わりが希薄になり、生活自体の範囲が狭まり、親しい人との交わりもできなくなり、孤独に耐える状態でした。
私たち高齢者の信徒にとって、ミサに出席することを遠慮するようにと勧められたのは大きな痛手でした。秘跡は信徒にとって、死活問題と言えるでしょう。
カトリック田園調布教会の信徒の皆さんがコロナウイルス感染症によって、教会離れが目に見えて分かるようになったのは、感染症の初期の段階からでした。今もなお教会離れが続いています。私たちは共に支え合い、励まし合い、慰め合って頂いた信仰を育ててきました。これからもこの姿勢は大切にして行かなければなりません。
コロナ禍で沢山の信徒の皆さんが亡くなられました。家族葬ということで、参列して共に祈り、お見送りすることが出来なかったのは残念です。
この四年間の間で失ったものを取り戻すために、カトリック田園調布教会共同体が一つの心になって積極的にミサに参加し、秘跡に取り組み、病人を訪問し、教会維持費を収め、亡くなった両親、兄弟姉妹のミサ依頼をし、祈りの心をもって日々の生活に努力して参りましょう。皆さんが信仰、希望、愛のたまものを豊かに受け、この世においてよいわざを行い、永遠の喜びを見いだすことができますように!
※ 「田園」2024年7月号はこちらからご覧ください。