田園2021年4月号 巻頭言

田園2021年4月号 巻頭言

急いで行って告げなさい

主任司祭 ドミニコ 竹内 正美

 

思い起こせば、昨年の復活祭は新型コロナウイルス感染拡大で非公開ミサとなりました。
今年はどうにか復活祭を皆さんでお祝いすることが出来そうです。

皆さん、ご復活おめでとうございます。

弟子たちは、なすすべもなく、主が十字架にかかってしまったことで、虚脱状態のうちに泣き過ごしたに違いありません。やがて夜が明け、朝が来ます。何が起こったか弟子たちはまだ知りません。

しかし、墓に着いた時、入り口を閉じていた重い石が除かれていたように、マグダラのマリアたちの重い悲しみが取り除かれます。「恐れることはありません。あなた方は十字架につけられたイエスを探しているのでしょうが、ここにはおられません。かねて言われていた通り復活されたのです」(マタイ8,5~6)。

婦人たちは恐れながらも大喜びで急いで墓を立ち去り、弟子たちに知らせるために走って行きました。もう悲しみも嘆きもありません。喜びが胸いっぱいで張り裂けんばかりです。不安や悲しみや恐れをもたらす墓、心を騒がす墓を、死の葬りの墓を後にして、生命の喜びに向かって走り出します。

人間の不安や恐れの根源である死と罪は、イエス様の復活によって打ち破られました。
「死は勝利にのまれた。死よ、お前の勝利はどこにあるのか。死よ、お前のとげはどこにあるのか」(1コリント5,55)。

ご復活は、神様のものである命の決定的勝利です。また同時に罪に対する神様の愛の決定的勝利なのです。私たちは既に死が終わりでないことを知りました。イエス様が自ら復活してそれを保証してくれたからです。

「急いで行って告げなさい」(マタイ8,7)。希望や喜びは個人の心の中に秘められているだけではなくて、何時も人々と分かち合うものです。復活の喜びと力が弟子たちに満ち溢れた時、彼らは地の果てまで出て行きました。

私たちも復活の証人として、受けた喜びと力と希望とを、急いで行って周りの人々に告げ知らせたいものです。

 

※「田園」4月号(No.700)はこちらからご覧ください。

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