田園2023年4月号 巻頭言

田園20234月号 巻頭言

急いで行って告げなさい

ドミニコ竹内 正美

 皆様、ご復活おめでとうございます。

弟子たちは、なすすべもなく、主が十字架にかかってしまったことで、虚脱状態のうちに泣き過ごしたに違いありません。

 やがて夜が明け、朝が来ます。何が起こったのか弟子たちはまだ知りません。しかし、墓についた時、入り口を閉じていた重い石が除かれていたように、マグダラのマリアたちの重い悲しみが取り除かれます。

 「恐れることはありません。あなた方は十字架につけられたイエスを探しているのでしょうが、ここにはおられません。かねて言われていたとおり復活されたのです。(マタイ28,5~6

 婦人たちは恐れながらも大喜びで急いで墓を立ち去り、弟子たちに知らせるために走って行きました。もう悲しみも嘆きもありません。喜びが胸いっぱいで張り裂けんばかりです。不安や悲しみや恐れをもたらす墓、生命の喜びに向かって走り出します。

 人間の不安と恐れの根源である死と罪は、イエス様の復活によって打ち破られました。

「死は勝利に飲まれた。死よ、お前の勝利はどこにあるのか。死よ、お前のとげは何処にあるのか」(1コリント15,55)

 ご復活は、神様のものである命の決定的勝利です。

私たちは既に死が終わりでないことを知りました。イエス様が自ら復活してそれを保証してくれたからです。「急いで行って、弟子たちに告げなさい」(マタイ28,7)

 希望や喜びは個人の心の中に秘められているだけではなくて、何時も人々と分かち合うものです。復活の喜びと力が弟子たちに満ち溢れた時、彼らは地の果てまで出てゆきました。

 私たちも復活の証人として、受けた喜びと力と希望とを、急いで行って人々に伝えたいものです。

※ 「田園」2023年4月号はこちらからご覧ください。

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