田園2018年6月号 巻頭言
田園2018年6月号 巻頭言
仲夏の候
助任司祭 アウグストヌス桑田拓治神父
この巻頭言を書いている5月上旬は少し肌寒い目でしたが、気象庁の長期予報ではこの夏は例年を超える猛暑となるそうです。今では大聖堂にクーラーが設置されたのでそれほどではありませんが、やはり司式司祭にとって猛暑は気が滅入るものです。
2015年に日本カトリック司教協議会から、新しい「ローマ・ミサ典礼書の総則」に基づく変更箇所が発表され、その中で司祭の服装に関して「司式司祭はアルバとストラの上にカズラを着用します」と記され「ローマ・ミサ典礼書の総則」337番「ミサ、およびミサと直接結びついている聖なる祭儀の際の司式司祭の本来の服装は、他の注記がないかぎり、アルバとストラの上に着用するカズラ、すなわちプラネタである」と引用されています。私たちは修道者ですから当然のごとくその下には修道服を着用することになります。
残念ながら日本管区には夏期の修道服は存在せず、当然猛普の中、かなりの厚着を余儀なくされます。「ローマ・ミサ典礼書の総則」42に「司祭と助祭および奉仕者の動作と姿勢、ならびに会衆の動作と姿勢は、祭儀全体が優美さと高貴な簡素さによって輝き、祭儀の個々の部分の正しく十全な意味が理解され、全員の参加が促されるようになされなければならない。
それゆえ、個々人の好みや白雨裁量に対してよりも、本総則とローマ典礼様式の伝統的実践によって定められたこと、ならびに神の民の霊的共通言に寄与することに対して注意が向けられなければならない」と規定されています。聖体祭儀の優美さと高貴さを尊ぶ上では司式司祭が相応しい祭服で奉仕することは大切々のだと理解しています。
しかし、司式司祭にとどまらず「ならびに会衆の動作と姿勢」と記されています。動作と姿勢のうちに会衆の服装も含まれているのではないでしょうか。外的規定によって田園調布教会の大聖堂でのドレスコードが定められることが良いことだとは思いませんが、個々人が聖体祭儀の優美さと高貴さを尊ぶ上で、自らの服装に関して一考することは良いことだと思います。
ちなみにローマの大聖堂ではタンクトップや短パンでは入ることが許されず、近くのお土産屋さん万大判のショールを購入することになります。
また動作と姿勢で大切な言葉である「アーメン」を大切にして頂きたいと思います。会衆は司式司祭の祈順に対して「アーメン」と応えることによって、その祈願を自らの折りとすることが出来るのであり、「キリストの御体」に対して「アーメン」信仰を告白するのです。
これから暑さが増していきますが、猛暑に負けることなく主を賛美し、感謝の典礼を共に捧げて行きましょう。
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アルバとは、ローマ人たちが下衣として用いていたもので、白い布で作られた全身をすっぽりとおおう長服のこと。ラテン語のアルバ=白いという形容詞に由来があります。
ストラとは、ギリシャ語で十字架を意味するスタウロスという言葉から来ています。ストラは、十字架の横木のように細長い帯のような形をしており、それを担っているしるしとして肩に掛けられていす。
カズラはラテン語で「小さな家」を意味する力ーザ(case)という言葉に由来しています。カズラは、ちょうどテントのような円形をしており、頭が出るように中央部分をくりぬき、ゆったりと体全体をおおう祭服です。
キリスト教豆知識等より