田園2018年12月号 巻頭言

田園2018年12月号 巻頭言

 

お告げの祈り

助任司祭 アウグストヌス桑田拓治神父

 

ミレーの「晩鐘」という有名な絵があります、夕暮れ迫る畑で農夫の夫妻が教会の鐘に合わせて祈っている姿を画いているものです。この祈りが「お告げの祈り」です。

教会の鐘に合わせて、作業の手を止め祈りの時をもつという、大切な信心の一つと言うことが出来ます。

聖書の「絶えず祈りなさい」という勧めに、司祭と修道者は一目を時間割にして唱える「聖務日課」を教会の公式の祈りとして神への賛美を捧げてきました。中世の頃、聖務日課書は高価なものであり、一般に人々の手に入る物ではありませんでした。

そこでこの「お告げの祈り」が生み出され、信徒たちも教会の鐘に合わせて神への賛美、聖母への取りなしを祈ることによって一目を聖化しようとしたのです。

 

「主のみ使いのお告げを受けて」

「マリアは聖霊によって神の御子を宿された」

アベエ、マリア、恵に満ちた方・・・

「私は主のはしため」

「おことばどおりになりますように」

アベエ、マリア、恵に満ちた方・・・

「みことばは人となり」

「私たちのうちに住まわれた」

アベエ、マリア、恵に満ちた方・・・

「神の母型マリア、私たちのために祈って下さい」

「キリストの約束にかなう者となりますように」

祈願 神よ、み使いのお告げによって、御子が人となられたことを知った私たちが、キリストの受難と十字架をとおして、復活の栄光に達することができるよう、恵を注いで下さい。私たちの主イエス・キリストのよって。 アーメン

「お告げの折り」は教会の折りが先唱句と詩編からなる、3つの唱和に習って作られており、個人ではなく皆で唱えるときは先唱者と会衆で交互に唱えます。この祈りはキリストの受肉の神秘を祈り、主の受難を通して復活の恵を願う祈りです。

これから待降節を迎え、主の御降誕を竹ちわびながら、個人でも時課に合わせてこの祈りを祈ってみては如何でしょうか。

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