田園2018年1月号 巻頭言

田園2018年1月号 巻頭言

 

新年の挨拶

主任司祭 ドミニコ竹内正美神父

 

信徒の皆様

2018年 明けまして

おめでとうございます

「主イエス・キリストの恵み、神の愛、聖霊の交わりが、みなさん一同と共にありますように」(IIコリント13・13)

 

この度、東京大司教に着座(2017年12月16日)されたタルチシオ菊地功大司教様のメッセージをヒントに新年の巻頭言を宣べたいと思います。

タルチシオ菊地功大司教様はメッセージの中で、前教皇ベネディクト16世の回勅「神は愛」を引用され、そのなかに記された「教会の三つの本質的な務めが大司教様の教会理解の柱となっています」と述べています。

三つの務めは「神の言葉を告げ知らせることとあかし」、「秘跡を祝うこと」、そして「愛の奉仕を行うこと」が教会の本質的務めであり、それぞれが互いを前提としていると指摘しています。

次いで大司教様は「多様性のうちに、共同体として一致しながら、一緒に素晴らしい教会を生み出してまいりましょう」と呼び掛けています。

この呼びかけに応えて、私はカトリック田園調布教会共同体の「新年度の努力目標」として取り組んでは如何でしょうか?と信徒の皆さんに提案致します。

積極的に福音を告げ知らせること。福音宣教とは「自分が預かっているものを一方的に伝えるものではなく、それを聞く人々が分かるように説明をし、理解が出来るまで試みる」ということです。

即ち、福音を告げ知らせるとは、語り手と聞き手の間に起こる一つのコミュニケーションであるということです。コミュニケーションは人と人とが人格的に出会うことによって起こることです。

もし、その出会いが聖霊に導かれる恵みであるならば、そこに福音の実りが実を結ぶことになるでしょう。

 

二つ目の務め「ふさわしく秘跡を祝う」とは特に恵みの源である「ミサこそ、キリスト者の生命の泉であり、イエスが最大の愛をもって私たちに与えた、最大の贈り物」です。

「典礼憲章」は次のように述べています。「母なる教会は、すべての信者が、典礼の執行への、充実した、意識的な、行動
的な参加へ導かれるよう切に希望している」と述べ、イエスご自身は常に私たちを主の食卓に招き、自分自身をもって私たちを養おうとしておられるのです。それは、私だちとイエスの間の完全な一致が実現され、イエス・キリストにおいて私たちが皆一つになるようにするためです。

 

三つ目の務めは「愛の奉仕」です。

聖書の中で、一人の律法学者がイエスの前に進み出て尋ねます。「あなたが一番大切にしているものはなんですか」イエスは数多い律法や掟の中で最も大切なものは「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして神を愛し、また隣人を目分のように愛することです」(マタイ22・37〜38)。

 

私たちの信仰生活の上で欠かすことの出來ない「愛の実践」と言えるでしょう。愛の行いが私たちの信仰生活から欠如すれば何か残るのでしょうか?

ヤコブの手紙は次のように述べています。「わたしの兄弟達よ、たとえ、誰かが自分は信仰を持っていると言っても、行いを伴わないなら、何の役に立つでしょう。そのような信仰はその人を救うことが出来るでしょうか。

 

ところで、次のように言う人がいるかもしれません。あなたには信仰かあるが、わたしには行いがある。行いを伴わないあなたの信仰を私に見せなさい。そうすれば、私は行いを持って信仰を見せよう」(ヤコブ1・14〜18)。

タルチシオ菊地功大司教様のメッセージをもって終わります。

「私にとって教会は、積極的に福音を告げ知らせ、ふさわしい典礼のうちに祈り、徹底的に愛の奉仕に生きる『共同体』です。」この言葉を、私たちの教会共同体の「努力目標」として、この一年間を共に歩んで参りましょう。

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